2年生の授業で「課題研究デザイン」講演
2025年06月03日
文化学園長野中学・高等学校の榎本智恵子先生を外部講師としてお招きしました
6月2日の授業は、元JICA長野デスクで、昨年度の2年生の授業や課題研究発表会の講師など様々な形でご協力をいただいている、文化学園長野中学・高等学校の榎本智恵子先生を、外部講師としてお招きしました。
夏休みに向けて、フィールドワークや実験・観察、文献調査など、各自で研究を進めていく予定ですが、ここであらためて課題研究・探究とは何か、高校生の研究で必要な視点とはどんなものなのか、榎本先生に「課題研究デザイン」と題してお話をしていただきました。
昨年度の研究テーマを具体例に挙げながら、課題研究を、進め方(プロジェクト型とリサーチ型)と分析方法(科学的アプローチと哲学的アプローチ)に分類し、研究の性質を知ることで自分たちの研究をどのように進めることが最適かを考えられること。日本社会や世界的な大きなテーマであっても、身近な例や体験を絡めることで自分事として捉えられることなど、高校生の課題研究にどんな視点が必要なのかをわかりやすくまとめて話していただきました。
生徒からの「自分たち高校生の感性を社会課題につなげていくことが難しいと感じている。どう考えていったらいいか?」という質問に、榎本先生は「研究テーマがうまく深まっていかないのは高校生みんなが悩むところ。自分の疑問が生まれたきっかけやテーマの出発点にぜひ立ち返ってほしい。それでも社会課題が自分に落ちてこない場合もあるが、そんな時は自分や自分の身近な人に置き換えて考えてみて。また、事例を集め、成功事例を見つけられると研究が進む。」と答えました。最後に、「高校生ならではの感性や柔軟な発想を大切にして研究を続けてほしい。」と生徒たちを激励してくれました。
講演を聞いた2年生の感想の抜粋です。
・ひとつの実験や視点で終わらずに、別の視点で考えたり、批判的な視点で捉えたりすることでより研究が深まって面白くなっていくことがわかった。
・大きなテーマと身近な疑問を関連づけるのが大事だということが印象に残った。去年の研究は大きなテーマだけに固執してしまったゆえに、あまり研究が深まらなかったとわかった。高校生ならではの発想を大切にするべきだということも印象に残った。
・高校生の頭だからこそ関連づけられる新たな視点があるということを念頭に、一つ一つの作業を丁寧に行っていきたいと思う。
2年生の研究活動は、5月12日(月)からゼミ形式の授業が始まりました。ゼミ形式の授業は、個別研究を基本としながら、似通った研究テーマなどで7~8人程度のグループを作り、そのグループに担当の先生が1人ついて授業を進めています。フィールドワークや実験・観察など、研究の柱となる活動は、夏休みを中心に各自が行う予定で、今は準備を進めているところです。