3年選択生が、1年生の授業で課題研究発表
2025年05月02日
課題研究とは? NGP活動を具体的に知る機会に
4月28日(月)の1年生の授業は、学年を越えた学びの場になりました。
3年生の総合の時間「グローカルアカデミア」を選択している生徒19人が、1年生の教室で研究発表を行いました。月曜6時間目に全学年が同時に総合の授業を行っていることを活かした授業の形です。
これから探究活動が始まる前の1年生にとっては、2年間研究を重ねてきた3年生の発表を聞くことで、課題研究とはどんなものかを知って、NGP活動をより具体的に感じてもらうことが狙いです。
3年生は、2年次から継続して研究に取り組む生徒もいれば、新たに研究テーマを設定した生徒もいます。昨年度の課題研究発表会以降も研究を続けているとはいえ、まだまとめの段階ではありません。この日は、生徒によっては、2年次の研究を発表した上で、これからどんな研究を進めていくのか、また、NGP活動がどのように役立っているかなどを話してもらいました。
いくつか教室を回って発表を聞きました。
「花粉で溢れる春を穏やかにしよう」を発表した3年生。小さい頃から花粉症に悩み、それについて研究できないかと着手したのが課題研究のはじまりでした。実験観察という研究手法は、インタビュー形式の調査が多い中で珍しく、1年生からも多く質問が出ていました。花粉が飛ぶ状況を身近な紙を使って実験を行いましたが、軽くて球形の花粉といかに近い状況が作り出せるかを苦労したということです。春休みに大阪大学でも研究発表をしていて、「発表後に大学教授と話す機会があって、この実験の妥当性を問われたので、今後の検討課題となった。」と外部発表で得たことも話してくれました。
実地調査を積み重ねた「森将軍塚古墳に生息する鳥と環境との関係」を発表した3年生は、自分の好きなことを追究するテーマの課題研究でした。好きなこととは言え、2週間に1回の野鳥観察という条件設定は、天候に恵まれなかったり苦労したことも多かったということです。「大学進学後は生態系について研究していきたい。その第一歩として身の回りの野鳥について調査した。」と進路選択と研究の関わりについても話してくれました。
新たなテーマで研究を始めた3年生もいて、2年次での研究でうまくいかなかった部分などを今の研究活動に活かしていると話していました。
1年生はグループ研究になりますが、次の授業から、まずは自分の研究課題について深めていく予定です。以下は、3年生の発表を聞いた1年生の感想の抜粋です。
「案外身近なものを調べるのも良いと分かった。自分独自の切り口や視点を持って取り組んでいくことが大事だと思った。」
「課題→疑問→仮説→実験→考察の繰り返しを続けて、結論を出すといった研究の過程がとてもはっきりしていて良かった。」
「事実や根拠から自分の考えにつなげていて、関連付けることで新たな疑問が生まれ、研究のサイクルが回っていくのだと感じた。」
「1年生での課題研究のテーマが、2年生での個人研究のテーマにつながっていきそうなので、自分はどんな課題を解決したいかよく考えてテーマを決めていきたいと思った。」