3年選択生が、1年生の授業で課題研究発表

2024年05月14日

課題研究とは?NGP活動を具体的に知る機会に

 5月13日(月)の1年生の授業は、学年を越えた学びの場になりました。
 3年生の総合の時間「グローカルアカデミア」を選択している生徒12人が、1年生の教室で研究発表を行いました。基本的に月曜6時間目に全学年が同時に総合の授業を行っていることを活かした授業の形です。
 本格的に探究活動を始める前の1年生にとっては、2年間研究を重ねてきた3年生の発表を聞くことで、自分たちがこれから行う課題研究がどんなものかを知って、NGP活動をより具体的に感じてもらうことが狙いです。
 3年生は、2年次から継続して研究に取り組む生徒もいれば、新たに研究テーマを設定した生徒もいます。授業が始まったばかりなので、まだまとめの段階ではありません。この日は、生徒によっては、2年次の研究を発表した上で、これからどんな研究を進めていくのか、また、NGP活動がどのように役立っているかなどを話してもらいました。
 いくつか教室を回って発表を聞きました。

●「環境が描く水棲生物理想の川」について発表した3年生。絶滅危惧種が多い中で重要性を増してくる環境保全がきっかけになり、一本の川で沢山の生物が生息できれば理想的なのではということに着目した研究でした。裾花川を実際に歩いて地形を調べたり、生息している魚を捕獲したり、自らの実地調査の結果や写真を示しながら発表してくれました。実地調査という研究手法は、インタビュー形式の調査が多い中で珍しく、1年生から質問も多く出ていました。これまでの研究を踏まえて、河川の微生物に研究対象を広げる予定で、さらに「大学では海洋プランクトンについて研究したい。」と課題研究と進路の関わりについての話もあり、1年生には参考になる部分が多かったのではないでしょうか。

●また別のクラス。「今こそ平和教育を~戦争を風化させないために~」を発表した3年生は、1年次から継続して研究を深めてきました。平和教育を自分ごととして考えられるプランを作りたいと、松代大本営を実際に訪れる独自プランを提案した課題研究です。昨年度までの研究を経て、「今後は、実際の教育現場で自身が提案した平和教育プランを行う場合、どうすればより実行性のあるものにできるかを研究したい」とし、同時に、もの(=場所)に頼らない、人と人の対話に基づくアプローチなども考えていきたいと話しました。

 1年生はグループ研究になりますが、次の授業から、まずは自分の研究課題について深めていく予定です。以下は、3年生の発表を聞いた1年生の感想の抜粋です。
「自分が興味を持って研究できるテーマにするのはもちろんのこと、筋道を立てて研究し聞き手が興味深いと思えるような発表をしていた。自分が研究する時もそんな発表を心掛けたい。」
「仮説→実験→考察→反省→改善のサイクルができていて今何がわかっていて、何をすればいいのかが整理されていて分かりやすかった。」
「現状の成果に満足せず常に別の方向からアプローチしている点や、自分らしさを出して独自の探究をしている点が凄かった。」
「自分の興味のあることやものから社会問題、環境問題につなげていて、楽しみながら研究していることが分かり、とても大切なことだと思った。ひとつの視点からでなく、多様な視点から物事を考えることで、新たな考えを得られたり、新しい疑問が生まれて、より自分の探究を深めていくことができると今回の発表から感じたので、自分の研究でも考えを固定するのではなく柔軟な発想で進められたらいいと思った。」

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