3年選択生が、1年生の授業で課題研究発表

2023年05月02日

“学年を越えた学び”の充実へ

 5月1日(月)の1年生の授業は、学年を越えた学びの場になりました。
 3年生の総合の時間「グローカルアカデミア」を選択している生徒16人が、1年生の教室で研究発表を行いました。
 今年度から、基本的に月曜日の6限に全学年が同時に総合の授業を行っています。今回のような“学年を越えた学び”が、これまで以上に取り入れやすくなりました。
 本格的な研究活動を始める前の1年生にとっては、研究を重ねてきた3年生の発表を聞くことで、自分たちがこれから行う課題研究がどんなものかを知って、NGP活動をより具体的に感じてもらうことが狙いです。

 3年生は、2年次から継続して研究に取り組む生徒もいれば、新たに研究テーマを設定した生徒もいて、まだまとめの段階ではありません。2年次の研究を発表した上で、今後はどんな研究を進めていくのか、また、NGP活動がどのように役立っているか、研究で苦労したことなどを話してもらいました。
 55分間の授業の中で、いくつか教室を回って発表を聞きました。

●長野県へのUターン就職をテーマに「“長野に住む”って魅力だらけ!」を発表してくれた3年生は、県外の大学へ進学した4割が長野県に就職しない反面、15年連続で移住したい県1位が長野県であるという現状から、若者が意識していない長野県の魅力があるのでは?という点に注目した研究でした。
 昨年度の研究を経て、3年次の研究は、何かを新しく作って若者に魅力を訴えるのではなく、「今あるものを大事にし、世代間交流に着目して住みやすい地域を作ることを研究したい。」とし、一過性のイベントではなく、日常を世代間交流につなげる方法を考えていると話しました。

●また別のクラス。「貧困問題を身近に」と題して、カンボジア農村部に絵本を贈るという自身のプロジェクトについて発表した3年生は、自分のプレゼンテーションについて良くなかった例として、客観的なデータが少なかったことを挙げました。先行研究などから自分の研究に適切な情報や、比較対象となる国内外の情報を得ることのむずかしさを話してくれました。
 また、課題研究について「興味があった教育と貧困の分野から研究を深めて、進学したい大学や学部を調べる基盤となった。」と、自身の進路との関わりにも触れました。

●ほかにも、1年生からの質問が次々に出てきたクラス。3年生の発表を聞き、質疑の時間に1年生が自分の考える解決策をぶつけてみたクラスと、積極的な1年生の様子も多く見られました。

 3年生の発表を聞いた1年生の感想の抜粋です。
「興味があることが探究の入口になっている。思っていたよりもテーマの範囲が広く驚いたが、聞いていて新鮮で面白かったし、自分の中に新たな考えが生まれた。私自身は何に興味があるのか自分を分析することから始めて、探究を楽しみたい。」
「3年生の先輩がどんな研究をしてきたのかを見たことで、どうやって研究を行っていくのか見通しを少しだけ持てて良かった。」
「身近なところから研究として広げていけるのは面白い。自分が扱ってみたい問題は規模が大きいが、そこからどうすれば身近な話題に還元できるのかも重要だと思うので、色々な角度から客観的に問題を捉えて研究していきたい。」
「研究で得たことがこれからの進路に繋がったり、地域に貢献する方法を考えるきっかけになることが分かって、自分もどのような方向性で研究していこうか考えてみたい。」
「今回の発表を聞いて、自分の興味関心があることと、学問を結びつけるヒントを得られた。」

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