エンリッチメント大賞2022『正田賞』受賞を学校長に報告

2022年12月06日

動物園と取り組んだ「ゴイサギのための採食エンリッチメント水槽」

 先日もブログで報告しましたが、3年選択生の野池真緒さんが課題研究として長野市城山動物園で取り組んできた「ゴイサギのための採食エンリッチメント水槽」が、エンリッチメント大賞2022において『正田賞』を受賞しました。
 今月3日(土)、東京大学農学部 弥生講堂一条ホールで行われた、表彰式と受賞者記念講演会に出席した野池さんが、宮本学校長にあらためて受賞を報告しました。
 野池さんは「体が小さく目立たないゴイサギは、動物園でもなかなかスポットが当たることがなかったが、飼育環境の改善も含めて着目できたことが良かった。」と話しました。また、水槽設置について、自宅から持ってきた植物を使ってみたり、前例のない中で工夫して取り組んできたことなど、これまでの活動の様子もあわせて報告しました。
 贈られた表彰盾と一緒に記念撮影も。受賞、おめでとうございました!
(野池さんに貴重な表彰式の写真を提供してもらいました。ありがとうございます。)


 動物たちの野生本来の行動を引き出すことや、自然な繁殖や子育てを促進するなど、動物園や水族館の飼育動物の生活環境を豊かにする取り組みのことを、“環境エンリッチメント”と呼んでいますが、これらのエンリッチメントに取り組む動物園や水族館、あるいは飼育担当者を応援するために設けられたのが、市民ZOOネットワーク主催の「エンリッチメント大賞」です。
 受賞した『正田賞』は、応募された取り組みの中から、特に市民へのインパクトが強いものや、市民との連携という点で優れていると評価されるものを対象に表彰する、今年度より新設された賞です。

 野池さんの研究活動は、長野市城山動物園で飼育されているゴイサギを対象にして、より自然に近い採食行動を促すために、飼育場内に生き餌を入れた水槽を設置するという環境エンリッチメントを実践したものです。その結果、水辺を模して植物や自然木を入れた水槽で、生きた魚を採食する様子を確認でき、ゴイサギに本来備わっている行動を引き出すことに成功しました。
 審査の結果、高校生と動物園との連携関係全体が授賞の対象となり、「高校生が自ら学び・成長する場として動物園が機能し、密接な関係づくりがなされ、エンリッチメントの普及や発展につながった事例が第1回目の正田賞にふさわしい取り組み」と高く評価されました。

http://www.zoo-net.org/enrichment/award/2022/

ブログ一覧に戻る