長野高校主催 国際会議グローカルアカデミア2021

2021年05月26日

3時間のYouTube Live 無事に終了しました!

 5月22日(土)、長野高校が主催し「SDGs地方創生国際会議 グローカルアカデミア2021」を実施しました。
 今年度の議題は ”What can Nagano learn from Covid-19 to make our region more sustainable and better prepared for the next pandemic ?” 「持続可能かつ次のパンデミックに備えた街づくり」。
 コロナ禍を生きる私たちがまさに今、次世代に向けて考えていくべき議題を、外部講師であるDavid Bromell氏(Victoria University of Wellington 教授)が提示してくれました。

 国際会議という名が表す通り、会議の特長はダイバーシティ。参加するのは日本、アメリカ、インド、ウズベキスタン、デンマーク、台湾など、様々な国籍を持つ人たち。高校生から経験豊かな社会人まで年齢もばらばらで、バックグラウンドも違う。国際会議は、そんな多様な価値観がぶつかり合う中で、どんなディスカッションが生まれるのか、もちろん議論が向かうところも終わり方も予測がつかない、チャレンジングな企画です。
 約1時間という制限時間内でそれをまとめ上げるのが、長野高校3年NGP選択生が務めるファシリテーターの役目です。アメリカやオーストラリアなど時差を越えて参加してくれた学生らもいて、4つの分散会に分かれ、それぞれに提言をまとめました。

 “持続可能かつ次のパンデミックに備えた街づくり”を考える上で、さらに3つのテーマ、
① Can you think of 10 compelling reasons why people in Tokyo should escape the city and come to live in Nagano? 
 東京の人が都会を抜け出して長野に住むべきだと思う、説得力のある理由10個を思い浮かべることができるか。
② The government gives you \500M to invest in physical and social infrastructure (e.g. broadband, roads, education, healthcare, recreation facilities…) to help attract people to live in Nagano. What will you spend it on, and why?
 政府が、長野県に住む人々を惹きつけるための物理的・社会的インフラへの投資に5億円の予算をあなたに与えています。何にそのお金を使うか、そしてその理由は。
③ Describe the kind of city where you could live a healthy, safe, and happy life. What would it look like? Would it be different from Tokyo, Yokohama or Osaka as they are today?
 健康で安全で幸せな生活を送ることができる都市とは。それは現在の東京、横浜、大阪とは違うのか。
 が設けられ、各分散会でディスカッションを行いました。 

(以下は、各チームの提言など。参加者はファシリテーター以外)

●Team SOYOKA
<参加者>長野日大高校3年生1名、アメリカの高校生1名、オーストラリアの高校生2名、日本在住のALT(アメリカ出身)

 アメリカやオーストラリアの高校生らが参加していたので、ディスカッションはすべて英語で行ったこのチーム。日本在住ALTの参加もあったため、学生だけではたどり着きづらい大人目線の意見も加わってディスカッションも盛り上がりを見せた。②については、チームとして「自転車専用の道路を整備する」ことを提案。自動車が減ってCO2削減にもつながり、よりクリーンな街づくりや健康促進につながるとまとめた。ディスカッションだけでなくゲームをしたり、オンラインながらも笑い声があふれ、和気藹々とした雰囲気をメンバー全員で作り上げていた。 

●Team MIWAKO
<参加者>長野高校3年生1名、東京外国語大学1年生1名(本校卒業生)、連携校・APU立命館アジア太平洋大学生2名(インド出身・中国出身)、アメリカ在住の社会人

 英語と日本語を交互に使い分けながら、予定時間となっても、まだまだディスカッションが盛り上がっていたこのチーム。長野在住、長野出身など参加者それぞれの立場で“長野”を見つめながら議論をどんどん深めていった。①について、ものだけに留まらず「人々が優しくフレンドリー」「伝統的なものを大切にする風潮」などと気質に関わる部分にも踏み込んだ。②については「IT環境の整備」を挙げた。コロナ禍で急激に進んだオンライン化に対して、子どもの頃からITに親しむことを重要視し、会ったことのない人やものとオンラインでつながる環境を構築していくことを提案した。また③は年齢や性別などを超えて、たて・よこのつながりを大事にした「老若男女が関われるような交流のある街」を提言とした。

●Team YUUKA
<参加者>長野高校2年生1名、東京大学1年生1名(本校卒業生)、連携校・APU立命館アジア太平洋大学生2名(インドネシア出身・ベトナム出身)

 高校生の話を、APU立命館アジア太平洋大学の2人をはじめ参加した大学生がよく聞いてくれていたことが印象的だったこのチーム。ディスカッションに集中して、みんなで提言を作り上げることに取り組んでいた。③について「都市はネガティブな面を取り上げられることが多いが、新型コロナウイルス感染症が終息しても、“東京”という都市は必要。東京は日本のシンボル的な存在だからというのがその理由。例えばプラスチックゴミを減らしていくなど、将来的には都市もよりエコな街にしていくことが必要なのではないか。」とまとめた。 

●Team RYO
<参加者>長野高校3年生1名、早稲田大学1年生1名(本校卒業生)、学校交流のパートナーであった台湾の高校生、連携校・APU立命館アジア太平洋大学生2名(日本・ウズベキスタン出身)
 
 ほぼ同年代が集まったこのチームは、アイスブレイクでは絵しりとりをしたり、打ち解けるまでに時間がかからなかった。全て英語で行ったディスカッションでは、言葉だけでは伝わりづらい部分を、画像などで補いながら説明していた。各々が持っていた若者らしいアイディアを交換する中から、③については「良い社会とは、大小のバランスが取れた社会なのではないか。」とし、「緊急事態宣言や休業要請は、コロナ拡大抑止にはつながるが、雇用や経済で苦しむ人も出てくる。もちろん広く考える必要もあるが、個人個人を大切にする社会が必要になるのでは。」と今後のあり方そのものを、提言としてまとめた。
 

 ディスカッションを終えてまとめ上げた各分散会の提言は、第3部でファシリテーターが英語で発表しました。
 最後に、オンラインゲストとして迎えた外部講師のDavid Bromell氏から「それぞれのグループが英語を使ってはっきりと意見を述べてくれた。人々は都市に住みがちだが、Covid-19が大都市の危険性を見せつけた。教育や仕事の面においてもデジタル化、オンライン化が進むなど、これからはより柔軟な街、柔軟な生き方が求められるだろう。何事においても常に疑問を持ち、考え続けてほしい。」などと講評をいただき、ともに“国際会議グローカルアカデミア2021”を締めくくりました。

 新型コロナウイルス感染予防の観点から、昨年度につづき今年度もオンライン開催となったグローカルアカデミア。それぞれに多忙を極める3年NGP選択生たちのNGP活動における集大成となりました。全ての日程を終えた後、達成感と充実感でいっぱいの表情を見せてくれた彼らに、心からの賛辞をおくりたいと思います。


★「SDGs地方創生国際会議 グローカルアカデミア2021」★
第1部 Opening(問題提議) 13:00~13:30
第2部 Online Discussion(4分科会に分かれて討論) 13:45~15:15
第3部 Closing(提言発表と講評) 15:30~16:00
 ※今年度はすべての日程をYouTube Liveで限定配信しました。

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