課題研究の集大成、2年生が発表会②

2022年12月26日

午後の部・全体会(6人の選抜者による代表発表)

 12月20日(火)、2年生がこれまで続けてきた課題研究の成果を発表する、「課題研究発表会」を実施しました。

 一昨年度より2年生は個人単位で課題研究を行っており、フィールドワークなどを経て各自の研究内容を深め、問いに対する課題解決策を形にしてきました。この発表会は、いわば2年間の課題研究の集大成。2回目は、午後の代表発表者による全体会の様子です。

 午後の部は全体会で、事前の審査などで選抜された6人の代表発表を大体育館で行いました。外部講師として、信州大学工学部教授 中村正行先生、東京海上日動火災保険株式会社長野支店 谷晃浩先生、世界の台所探検家 岡根谷実里先生にお越しいただき、6人の発表に対する最終審査をお願いしました。
 
 発表したのは、
2年1組 伊東さん「記憶神経回路メカニズムに基づく最も良い記憶方法」(優秀賞)
2年6組 中村さん「高校生×地域活動 結びつけるには?」(最優秀賞)
2年2組 栁澤さん「いのち短し、語れよ生理」(最優秀賞)
2年2組 春日さん「カビの発生しにくい家作り」(校長賞)
2年7組 湯本さん「長野市在住の外国人児童の学習支援について」
2年6組 塩入さん「MEGAQUAKE ~電磁気異常の謎~」
(発表順、カッコ内は最終審査結果)

 地域活動に参加したい高校生と地域団体を結びつけるサイトを自ら作成し、より具体的・実践的に提案したもの、自身の進路にもつながるテーマを掘り下げ、今の自分たちが「自分事」として考えられるよう発信したもの、また、自ら実験を重ねた上で、その課題を解決するためにフィールドワークを行った研究など、6人それぞれに積み重ねてきた課題研究の成果を発表してもらいました。

 講師の先生方はそれぞれの立場から、
 「観察→仮説・問題設定→実験・調査・検証→考察→まとめ・発表と、文理問わず、すべての課題研究でこのアプローチを取ることが大事。ぜひ身につけてほしい。(中村先生)」
 「現状に課題があるということは、必ずその背景がある。なぜそうなっているのかを突き詰めると、さらに新しい課題が出てくる。そこをどう繋げて、解決策に結び付けていくか。今回を第一歩にして、これからも考え続けてほしい。(谷先生)」
 「聴いていて引き込まれるテーマ、自分がオタクになれるテーマは大事。一方で、その課題について、なぜ現実になっていないのか、うまくいっていないのかと冷静になることも必要で、突き詰めて考える部分と一歩引いて冷静な部分の両方があると研究がもっと良くなっていく。(岡根谷先生)」
と、さらに一歩進んだ研究になることを期待して、講評をして下さいました。
 2年生の皆さん、本当にお疲れ様でした!

 以下は、生徒の発表会当日の感想など抜粋です。

【2年生】
・自分自身、発表はあっという間で、もっと強調すべきところを強調したり、スライドに書いていないところについても言及すれば良かったかもしれないとの反省が残った。これからは、研究に対して、もっと客観的になって、常になぜと問い続け、選択する際にそのメリットとデメリットを考えたい。
・誰もが一度は考えたことがあるし、調べたこともあるテーマがほとんどだと思うが、その言語化とテーマに対する解像度のレベルが高く、自分が伝えたいことはもちろん、発表を聞く相手がほしい情報をきちんと選択した自分本位ではない発表だった。問いとそれに対する答えが明確。取捨選択がうまい。加えてFW先の選び方が上手な印象を持った。
・研究の内容やまとめはもちろんのこと、発表時の話し方もはきはきと話していて聞きやすく、引き込まれるような発表でした。さらに全員が主体的に興味や熱意を持って発表しているように感じたので、それが飽きずに引き込まれる発表になる理由なのだと感じた。

【1年生】
・選抜された6人は、それぞれの研究テーマにとても熱い想いがあると感じ、聴いている私たちも引き込まれた。審査員の先生の「関心を持っていない人の背景を探り、たくさんの仮説を立てることが大切だ」という話は、フィールドワーク研究の参考にしたいと思った。
・午後の発表では、なぜこの6人が選ばれたのかを考えながら聞いた。専門的なところまで深く研究しているということも当然だと思ったが、最終的には自分の意見や感想を持っているということが大切なのではないかと思った。単に調べて終わるだけに留まらず、調べた結果から自分の意見、考察などをしっかりと持ち発表していくことで意義が生まれるのではないかと感じた。
・研究した内容をもとに、その研究の延長にある問題の解決方法についても考察されており、とても良かった。また、フィールドワークに限らず、各研究に合った探究方法(実験を行うなど)を進めていて、来年に向けてさらに視野が広がった。

ブログ一覧に戻る