3年選択生の研究活動がエンリッチメント大賞2022『正田賞』を受賞
2022年10月31日
動物園と取り組んだ「ゴイサギのための採食エンリッチメント水槽」
3年選択生の野池真緒さんが課題研究として長野市城山動物園で取り組んできた「ゴイサギのための採食エンリッチメント水槽」が、エンリッチメント大賞2022において『正田賞』を受賞しました!
エンリッチメント大賞は、市民ZOOネットワーク主催、公益社団法人 日本動物園水族館協会後援で行われているものです。
動物たちの野生本来の行動を引き出すことや、自然な繁殖や子育てを促進するなど、動物園や水族館の飼育動物の生活環境を豊かにする取り組みのことを、「環境エンリッチメント」と呼んでいますが、これらのエンリッチメントに取り組む動物園や水族館、あるいは飼育担当者を応援するために設けられたのが、市民ZOOネットワーク主催のエンリッチメント大賞です。
受賞した『正田賞』は、応募された取り組みの中から、特に市民へのインパクトが強いものや、市民との連携という点で優れていると評価されるものを対象に表彰する、今年度より新設された賞です。
野池さんの研究活動は、長野市城山動物園で飼育されているゴイサギを対象にして、より自然に近い採食行動を促すために、飼育場内に生き餌を入れた水槽を設置するという環境エンリッチメントを実践したものです。その結果、水辺を模して植物や自然木を入れた水槽で、生きた魚を採食する様子を確認でき、ゴイサギに本来備わっている行動を引き出すことに成功しました。
授賞理由については「高校生が自ら学び・成長する場として動物園が機能し、密接な関係づくりがなされ、エンリッチメントの普及や発展につながった事例として第1回目の正田賞にふさわしい取り組み」という講評をいただきました。
また、「活動は2年間にわたり、動物園側のサポートのもとで経過観察や試行錯誤を重ねて実行してきた。学んだことを学校内で発表し表彰されるなど、教師やまわりの生徒たちに大きな反響があったことや、企画したエンリッチメントの取り組みについて、動物園来園者に伝える掲示物も自作しており、この点も評価の対象になった。」と、熱意のある取り組みへ高い評価もありました。
(※応募時は「ゴイサギのための採食エンリッチメント水槽」という内容でのエントリーでしたが、審査委員会での協議の結果、個別の取り組みではなく、高校生と動物園との連携関係全体に授賞したとのこと。)
野池さんは、2年次から動物園における環境エンリッチメントを題材にして研究を続け、動物園に何度も訪問して実験や観察を繰り返し、その実施データを分析し検証するという、相当な時間をかけ、熱心に研究活動を行ってきました。正田賞という結果に結びついたこと、NGP係もとても嬉しく思っています。受賞、おめでとうございました!
http://www.zoo-net.org/enrichment/award/2022/